クランチは腹筋の基本! 正しいクランチのフォームとコツを解説
腹筋運動のひとつであるクランチは、お腹のぽっこりが気になる人や、より効果的な腹筋エクササイズを行いたい場合におすすめです。
一見、クランチは単純なエクササイズのように見えますが、正しいフォームで行わないと効果が得られにくく、間違ったフォームで行っている人も多く見受けられます。
ここでは、クランチの効果やメリット、正しいフォームを解説します。自己流にならないよう、正しいフォームとコツを身につけて効果的なエクササイズにしましょう。
目次
Toggleクランチとは
定番の腹筋エクササイズであるクランチ。クランチとは腹筋運動の一種で、膝を90度に曲げたまま仰向けになり、肩甲骨のあたりから上体を丸めるトレーニングです。腹筋には大きく「腹直筋」「外腹斜筋」「内腹斜筋」「腹横筋」の4つの筋肉があります。
ここではクランチとはどのような運動で、どの筋肉に効くのかを説明します。
クランチの効果
クランチはとくに腹直筋を鍛えるのに効果的です。腹直筋はシックスパックとも呼ばれており、鍛えることでお腹を引き締め割れたお腹を実現できます。自分の体重だけを負荷にして行うため、特別な道具もなく寝転がれるスペースがあれば自宅で気軽に行えます。手軽でケガのリスクも少ないので、筋トレ初心者にもおすすめのトレーニングです。
またクランチの中でも、バイシクルクランチなどで上体の動かし方や姿勢などを変えると腹斜筋や腹横筋も鍛えられます。
シットアップとの違い
腹筋運動のもう1つの定番に「シットアップ」があります。シットアップはいわゆる「上体起こし」で、膝を立てて仰向けに寝た状態で手を頭の後ろで組み、上半身を起こして胸を膝へつけることを繰り返す腹筋運動です。一昔前までは腹筋といえばこの運動であり、誰もが1度はやったことがあるのではないでしょうか。
シットアップも主に腹直筋に効果が出るトレーニングですが、腰から上全体を起こす・寝かす運動を繰り返すため、股関節周囲の腸腰筋や、太もも前側の大腿直筋も刺激できます。腸腰筋とはインナーマッスルのひとつで、大腰筋・小腰筋・腸骨筋の3つをまとめた呼び方です。背骨・腰骨・骨盤の内側・太ももの付け根の内側に付いており、上半身と下半身を繋いでいます。
それに対してクランチは、集中的に腹直筋だけを鍛えることに適しており、ピンポイントでシックスパックのトレーニングをしたい人に向いています。またシットアップは腰に負担がかかるため、腰痛の人が腹筋を鍛えたい場合にはクランチの方がおすすめです。
クランチで腹筋を鍛えるメリット
トレーニングで腹筋を鍛えると、どのようなメリットがあるのでしょうか。単に腹筋が割れるだけでなく、さまざまな良い変化が期待できます。
美しいボディラインをつくる
女性にとって美しいボディラインとは、くびれのあるウエストからヒップにかけてのラインではないでしょうか。また男性にとってはウエストが引き締まった逆三角形のラインが憧れでしょう。美しいくびれや逆三角形のラインを作るためには、シックスパックを作る腹直筋を鍛えることが大切です。
クランチで腹直筋とインナーマッスルを鍛えると、ウエストサイズの引き締め効果が期待できます。ウエストが引き締まると、見た目が変化するのでトレーニング継続のモチベーションにもなります。腹斜筋を鍛えると、シックスパックがより映える割れたラインを強調することもできます。
内臓を正しい場所に固定する
クランチを行うと腹腔のインナーマッスルが鍛えられます。腹腔は横隔膜、多裂筋、腹横筋、骨盤底筋群の4つのインナーマッスルに囲まれていて、クランチで腹腔を鍛えると体幹がしっかりと固定されるようになります。
体幹が固定されると、内臓も正しい場所に固定されます。すると本来の内臓機能がしっかりと働ける状態となり、内臓への負担が軽減されるので体調も整っていくでしょう。
腸の働きが整うことで消化吸収が良くなり便秘が軽減することがあります。また女性は下がっていた内臓が正しい位置に戻って子宮への負担が減り、生理痛の緩和も期待できます。
姿勢が良くなる
クランチで腹筋を鍛えると、表面のシックスパックだけでなく表面から触れないインナーマッスルも鍛えられます。
姿勢が悪くなる原因のひとつに、体を支える筋力がないことがあげられます。クランチで体幹が鍛えられれば、体をしっかり支えることができるようになり、良い姿勢をキープできるようになります。
姿勢と内臓の位置は密接に関係しているので、インナーマッスルを鍛えて良い姿勢を継続することが、さまざまな不調の改善にも繋がっていきます。腰痛を根本的に改善したい場合にも、腹筋を鍛えることが有効です。
パフォーマンスの向上
腹筋は体幹の要となる筋肉です。体幹とは体の中心となる胴体部分のことで、手足、頭はすべて胴体から繋がっています。手足を機能的に動かすためには、胴体部分である体幹がしっかりしていなくてはなりません。たとえ腕をムキムキになるまで鍛えたとしても、最大限のパフォーマンスを生み出すためには体幹がグラグラせず揺るがない支えとなることが必要です。
腹筋を鍛えて体幹の支える力を強くすると、動く際の姿勢が安定して動きがスムーズになり、パフォーマンスが向上します。とくにスポーツにおいては体幹の安定性が重要で、どのようなスポーツでも役に立ちます。
生活全般においてもパフォーマンスが上がり、QOL(生活の質)向上に繋がるでしょう。
太りにくい体になる
脂肪より筋肉の方が重く、同じ重さの筋肉と脂肪では脂肪の方が体積が大きくなります。つまり同じ体重であれば、筋肉量が多ければ体が引き締まりスリムに見えるということです。
さらに筋肉は消費するエネルギーが多いため、基礎代謝量を上げることができます。基礎代謝とはじっとしていても消費するエネルギーのこと。筋肉量を増やせば基礎代謝量が上がり、太りにくくなります。
ダイエットでは体重にばかりこだわるのではなく、体脂肪率と筋肉量にこだわる必要があります。「筋トレをすると、ムキムキになってしまう」と心配する人もいますが、よほどハードなトレーニングを継続しストイックな食事管理をしない限り、ムキムキにはなりません。
正しいクランチを行うコツ
トレーニングの効果をきちんと出すためには、正しく行うことが大切です。正しくクランチを行うコツを、ノーマルなクランチを例にして解説します。アレンジしたクランチにも共通するコツなのでマスターしておきましょう。
あごを引いて背中を丸める
「寝て起きて」を繰り返すシットアップをやり込んできた場合、その癖が抜けずに上体をまっすぐにしてクランチを行う人が多く見受けられます。
クランチでは腹直筋を効率良く鍛えられますが、上半身を丸めないと鍛えることができません。あごを引いて背中を丸め、おへそをのぞき込むようにするのがクランチのコツです。
自分がどのような姿勢でクランチをしているか、1度スマートフォンで動画を撮ったり、鏡を見てチェックしたりしてみましょう。
呼吸を意識する
ヨガでは呼吸を大切にしていますが、トレーニングの際にも呼吸を意識することが重要です。ただし日常生活やヨガでは横隔膜を使う腹式呼吸が適していますが、筋トレでは肋骨を広げる「胸式呼吸」が適しています。
クランチの場合には、上体を起こすときに「吐く」、戻すときに「吸う」ことを意識しましょう。鼻から吸って鼻から吐き、胸郭(きょうかく)が大きく広がるように行います。胸式呼吸によって交感神経が優位となり、トレーニングをより効果的にしてくれます。
ゆっくりと行う
クランチは自重を利用したトレーニングなので、回数やスピードではなく1回の質を高めることが大切です。回数を増やしたり、速く行ったりすると筋肉がついたように感じるかもしれませんが、筋肉がつくどころか腰を痛めるリスクもあるため注意しましょう。
また、反動を利用して体を動かしても、十分に筋肉に効かせられずクランチの効果が薄れてしまいます。クランチを行うときは使っている筋肉を意識して、ゆっくり正しいフォームで行うようにしましょう。
頭を床につけない
背中を丸めて戻した際に、頭を床につけるまで戻さないように注意してください。頭が床につくまで戻してしまうと、腹筋の負荷が逃げてしまいトレーニングの効果が半減してしまいます。
クランチ中に頭を床につければ楽になることから、負荷が逃げていることがわかるでしょう。さらに床で反動をつけやすくなるため、正しくクランチができなくなります。
クランチを行うときには手を頭の後ろで組み、常に床から頭が上がっている状態で背中を丸めたり戻したりすることがコツです。
クランチのフォーム解説
クランチの具体的なフォームを解説します。正しいフォームを身につけてより効率的なトレーニングを行いましょう。
ノーマルクランチ
まずは基本のノーマルクランチから解説します。
1.仰向けに寝て、膝を曲げて足を上げます。
2.頭の後ろで手を組み、上体をゆっくりと持ち上げます。このとき、背中をしっかり丸めておへそをのぞき込むようにします。息は鼻から吐きましょう。
3.鼻から息を吸いながら、上体を1の状態まで下げます。このとき、頭が床につかないように注意します。できるだけゆっくりと下ろしてください。
10〜15回×3セット行いましょう。
バイシクルクランチ
ノーマルクランチにねじりの動きが加わり、腹斜筋も鍛えられるトレーニングです。
1.仰向けに寝て、頭の後ろで手を組み、頭を少し浮かせます。
2.上体を持ち上げて体をねじるようにし、肘と対角線上にある膝に近づけて数秒キープ。反対側の膝は床から上げたまま伸ばします。
3.体をひねって2と反対の膝と肘を近づけ、曲げていた方の足を伸ばします。
4.2〜3の動きを繰り返します。
2〜3の動きを1回として、20回×3セット行います。
まとめ
クランチは基本的な腹筋トレーニングですが、正しいフォームで行うことでしっかりと効果を得ることができます。自己流にならないように注意して、正しい方法で行いましょう。
正しいクランチを習得するためには、ジムでトレーナーのアドバイスを受けるのもおすすめです。さらに筋トレ上級者を目指すなら、さまざまな腹筋用マシンがあるスポーツジムで鍛えましょう。お近くの スポーツクラブNAS にぜひお問い合わせください。
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