体力をつける方法とは?健康的な未来のための総合アプローチを解説
「体力づくりは大切」と分かっていても、何から始めたらよいのか分からない人は多くいます。
この記事では体力の定義から、体力をつけるための運動、運動以外に重要なことを解説します。体力づくりに必要なことを理解して、体力づくりをはじめましょう。
目次
Toggle体力とは
「体力」という言葉は、普段何気なく使われています。しかし、厳密にはどういう意味なのでしょうか。この章では、そもそも体力とはどういう意味の言葉なのか、体力の定義について解説します。
体力の定義
体力の定義には、次の言葉がよく用いられています。
“体力とは、ストレスに耐えて、生を維持していくからだの防衛能力と、積極的に仕事をしていくからだの行動力をいう”
つまり、健康的に生活するための体力を「防衛体力」、仕事や運動をするための体力を「行動体力」と大別できます。
防衛体力と行動体力の両方を高めるためには、健康的な食事や運動、睡眠が必要です。
行動体力
行動体力は仕事や運動をするための体力で、体を動かすための基本的な身体的能力のことを指します。一般的に使われる「体力」という言葉の意味は、この行動体力に近いでしょう。
行動体力の機能は、行動を起こす能力・維持する能力・調整する能力に分けられ、細かく下記のように分類されます。
行動を起こす能力
- ・ 筋力
- ・ 瞬発力
行動を維持する能力
- ・ 筋持久力
- ・ 全身持久力
行動を調節する能力
- ・ 敏捷性
- ・ 柔軟性
- ・ 平衡性
- ・ 巧緻性
行動を起こす能力には、筋力はもちろん、ジャンプするときに使うような瞬発力が含まれます。
また行動を持続する能力には、筋肉を使い続けるための筋持久力や、全身に血液と酸素を運ぶための全身持久力などがあります。特に全身持久力は、身体の健康を維持するためには欠かせない能力です。
最後の行動を調整する能力には、身体の動きを調整する敏捷性・柔軟性・平衡性・巧緻性が当てはまります。
防衛体力
防衛体力は健康に生活するための体力です。感染症や生活習慣病などの病気や、精神的なストレスに対する抵抗力のことをいいます。
総コレステロール値が高くて生活習慣病のリスクがある、免疫力が低くて感染症にかかりやすいなどの状態だと防衛体力は低下してしまいます。
毎年、しっかり健康診断を受けて、自分の体にどんなリスクや課題があるのか確認しましょう。リスクや課題が見つかった場合は、医師の指示を仰いで改善できるように行動してください。
現在疾患がある場合は、治療が最優先です。こちらも医師の指示に従いましょう。健康診断の内容を受けて食生活や運動などの生活習慣を改善すること、疾患がある場合は治療することで防衛体力は向上します。
身体面と精神面
体力には身体面・精神面の両方が含まれます。先述した行動体力と防衛体力は身体面の体力のことです。精神面にも行動体力と防衛体力があります。精神の行動体力は意志・判断・意欲、精神の防衛体力はストレスに対する抵抗力です。これらは肉体とは直接関与しないものの「運動するために必要なもの」という位置付けになります。
精神的な体力も、身体面の体力と同様に健康的な身体をつくることで高まっていきます。そのため精神的な体力を養うには、健康的な食生活や運動、十分な睡眠が必要です。
体力をつけるための運動
体力をつけるために運動が必要であることは常識です。では、具体的にどのような運動に取り組めば良いのでしょうか。この章では、体力をつけるための運動について、下記4つを解説します。
- ・ 運動習慣を身に付ける
- ・ ストレッチ
- ・ 有酸素運動
- ・ 筋肉トレーニング
運動習慣を身に付ける
体力をつけるための運動で重要なことは、運動習慣を身に付けることです。短期的な効果を求めて、急に強度の高い運動を行うのは避けましょう。けがをしてしまったり、苦痛によって続かずに終わってしまいます。
体力をつけるには、時間が必要です。数カ月から数年にわたって運動を継続しなければなりません。運動を継続するためには、運動の習慣化が必要です。
厚生労働省は「平成27年国民健康・栄養調査報告」において、30分以上の運動を週2日以上行い、1年以上継続することで「運動習慣有り」としています(※1)。
運動習慣を身に付けるポイントは、無理なく弱い強度から少しずつ始めることです。あまり運動の経験がない人は、ストレッチやウォーキングから始めることをおすすめします。
運動に苦痛を感じなくなり、運動するのが当たり前になったら運動習慣が身についています。
ストレッチ
ストレッチは関節を動かして筋肉、腱、靱帯などを伸ばす運動です。柔軟性のトレーニングといえます。
特に運動経験がほとんどない人は、ストレッチがおすすめです。筋肉が硬くて関節の動きが悪いと、運動をはじめた時にケガをしてしまう場合があります。洗い物をしながらふくらはぎを伸ばしたり、テレビを見ながら肩を伸ばしたりなど、隙間時間に行うだけでも効果があるでしょう。
ストレッチには、反動や動きを使わず、持続的に関節や筋を伸ばしていく「スタティック(静的)ストレッチ」と、コントロールした動きの中で筋を伸ばしていく「ダイナミック(動的)ストレッチ」があります。
ダイナミックストレッチは、動きをコントロールしながらリズミカルに身体を動かす必要があるため、多少コツが必要です。そのため、初心者にはスタティックストレッチがおすすめです。
スタティックストレッチは、下記のような種目からはじめましょう。
- ・ 壁や柱に手をつき、足を前後に開いてふくらはぎを伸ばす。
- ・ 正面に置いた椅子に片足を乗せ、そのまま前屈して太ももの裏を伸ばす。
- ・ 仰向けに寝て腰をひねり、脇腹や背中を伸ばす。
ダイナミックストレッチを初めて行う場合は、ラジオ体操がおすすめです。テレビやYouTubeを見ながら行うと、初心者でも分かりやすいでしょう。
また、ヨガやピラティスに取り組むのもおすすめです。フォームや呼吸にコツが必要なため、ジムやスタジオに通って指導を受けてください。
有酸素運動
有酸素運動とは、ウォーキングやジョギング、サイクリング、水泳など長時間継続して行う運動です。酸素を取り込みながら行う運動を指します。
体内の体脂肪を主なエネルギー源にするので、ダイエット効果があります。総コレステロール値や血圧を改善することで、防衛体力を向上できるでしょう。
また、呼吸循環器系の機能を向上させ、持久力を高められます。ウォーキングやジョギング、サイクリングなら下半身の筋力強化、水泳なら全身の筋力強化につながります。
最初はウォーキングなどの軽い有酸素運動から始めるのがおすすめです。ウォーキングを始める場合は、家の周りを歩いてみたり、通勤時に一駅分歩いてみたりしましょう。ウォーキングなら難しい技術や道具も必要ないので、気軽に始められます。脂肪燃焼効果を求めるならば30分ほど継続して行うのが望ましいですが、難しい場合や慣れないうちは、10分でも20分でもよいので、無理のない範囲で始めましょう。
慣れてきたら、ランニング・フィットネスバイク・水泳など、強度を上げていくのもよいです。焦らずに少しずつ強度を上げることが重要です。少しずつでも続けていけば、着実に体力がついていきます。
筋肉トレーニング
筋肉トレーニングとは、筋肉に抵抗(レジスタンス)をかける動作を繰り返し行う運動のことです。レジスタンストレーニングとも呼ばれます。自分の体重を利用して行う自重トレーニングと、ダンベルやマシンなどの器具を用いて行うウェイトトレーニングがあります。
最初は自宅でもできる自重トレーニングから始めましょう。
自宅でできる自重トレーニングには、下記のような種類があります。
- ・ スクワット
- ・ 腕立て伏せ
- ・ 腹筋
- ・ バックエクステンション(背筋)
この4種目だけでも、下半身や体幹にある大きな筋肉を鍛えられます。
物足りなくなったらスポーツジムへ行き、ウェイトトレーニングを行いましょう。ジムにあるダンベル・バーベルやマシンを使うことで、さまざまなエクササイズを行うことができ、より効果的に筋肉を鍛えられます。
筋肉を鍛えることで、筋力が上がって行動体力が向上します。さらに、筋肉量が増えると代謝が向上するため、ダイエットにも効果的です。総コレステロール値や血圧を改善することで、防衛体力向上も期待できます。
体力をつけるため運動以外に重要なこと
行動体力と防衛体力を向上するためには、運動以外にも重要なことがあります。この章では、体力をつけるために運動以外に重要なこと、下記3つについて解説します。
- ・ バランスのとれた食事
- ・ 良質な睡眠
- ・ 心を鍛える
バランスのとれた食事
私たちの身体は、食べたものでできています。悪い食生活が習慣化していると、肥満になって生活習慣病のリスクが高まるなど、防衛体力が低下します。また、疲れやすくなって持久性が低下したり体重が増えて敏捷性が低下したりなど、行動体力も低下するでしょう。
ポイントはPFCバランスを意識することです。PFCとはタンパク質(Protein)・脂質(Fat)・炭水化物(Carbohydrate)のバランスのことです。摂取カロリーの内、タンパク質15%・脂質25%・炭水化物60%になるように、バランスの良い栄養摂取を心がけましょう。
また、消費カロリーと摂取カロリーとのバランスを考えることも重要です。消費カロリーより摂取カロリーが多い食事が続くと、脂肪が増えて生活習慣病のリスクが高まります。一方で摂取カロリーが少なすぎても、筋肉が減って行動体力が低下します。
特に、タンパク質は不足しがちなので積極的に摂取するよう心掛けてください。タンパク質を多めに取ることを意識しつつ、バランスの良い食生活を心がけましょう。
良質な睡眠をとる
体力をつけるには休養が大切です。しっかり休養を取るには、良質な睡眠が何より重要です。睡眠は脳と体にかかるストレス・疲労を取り除くため、体力向上・メンタルヘルス向上にもつながります。
良質な睡眠を得るためには、就寝前に体を副交感神経が優位な状態にしておきましょう。副交感神経とは自律神経の一種で、身体を休息モードにしてくれる働きがあります。反対に身体を活動モードにする交感神経が優位だと、スムーズに入眠できず、眠りも浅くなってしまいます。強度の高い運動は交感神経を優位にしてしまうので、就寝3時間前までに終えましょう。
また、睡眠時間の長さも必要です。睡眠時間が不足すると、食欲を抑えるホルモンのレプチン分泌が減少し、食欲を高めるホルモンのグレリン分泌が亢進します。カロリーの過剰摂取につながり、生活習慣病のリスクが高まってしまいます。
必要な睡眠時間には個人差がありますが、目安として6~7時間は確保することをおすすめします。
精神的な体力も鍛えよう
最初の章で解説したように、体力は精神面も含みます。健康な生活を送るにはメンタルを強くすることも重要です。一方で「心を鍛える」ことは難しいため、簡単には解説できません。
重要なことは、精神的な体力と身体的な体力は相互作用があるということです。これまで解説してきた運動を行ったり、良質な食事・睡眠を取ったりすることで、心もストレスに強くなっていきます。
また行動体力を向上させる目的を持って運動することで、意志・意欲が鍛えられます。運動習慣がついて、身体が変わったり体力がついたりすれば、自信になるでしょう。実際に、運動が精神状態に良い影響をもたらしているという結論の出ている科学的検証や臨床試験もあります。
さらには、良質な食事や睡眠を取ることで、ストレスが解消されて心が回復します。自分のメンタルが弱いと感じている人は、身体面の体力向上から取り組みましょう。
まとめ
健康的な人生を送るためにも、体力づくりは重要です。本記事でご紹介した内容を参考に、まずは運動習慣を身に付けることからはじめましょう。本腰を入れて始めるなら、スポーツジムに通うことは効果的です。
スポーツジムならトレーナーの指導を受けられるので、より効果的なトレーニングを行えます。効果が出るのも早く、モチベーションも維持しやすいでしょう。興味のある方はぜひお近くの スポーツクラブNASの店舗 へお問い合わせください。
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