ダイエット中の朝ごはん抜きはNG!痩せるのに必要な栄養素とレシピ

ダイエット中の朝ごはんは、1日の活動をスムーズにするために欠かせない食事です。朝ごはんを抜くと代謝が下がり、昼や夜に食べすぎてリバウンドにつながる恐れがあります。ダイエット中こそ朝ごはんの質と量を工夫することが、痩せやすい体をつくる近道と言えるでしょう。
当記事では、ダイエット中でも朝ごはんを食べるべき理由や、ダイエット中に適した朝ごはんのカロリー目安、食材選びのポイント、和食・洋食・時短別の献立例を紹介します。栄養バランスの整った食事に加えて運動を組み合わせることで、ダイエット成功を目指せるでしょう。
目次
Toggle「ダイエット中は朝ごはんを食べない」はNGの理由

「朝ごはんを抜けば摂取カロリーが減って痩せやすいのでは?」と考える方は少なくありません。しかし、実際に朝ごはんを食べないのは逆効果となり、ダイエットや体調に悪影響を及ぼすと言われています。具体的には以下が挙げられます。
早食いによる過食を招く
朝ごはんを抜くと昼食時に強い空腹を感じ、つい短時間で多く食べてしまう恐れがあります。満腹中枢が働く前に食べ終えてしまうことで過食につながりやすく、結果として摂取カロリーが増加します。
体脂肪の蓄積が増加する
食事回数が減ると、肝臓や脂肪組織で脂肪酸合成を促す酵素が活性化し、結果として体脂肪やコレステロールが増えやすくなるとされています。朝ごはんを抜くことは、肥満や脂質異常のリスクを高める行為の1つです。
糖質の補給が困難になる
脳はブドウ糖を唯一のエネルギー源としているため、朝ごはんを抜くと血糖が上がらず、集中力や記憶力が低下しやすくなります。エネルギー不足からイライラやだるさを感じることも増えます。
体温が上昇しにくい
食事には「食事誘発性熱産生(DIT)」と呼ばれる代謝を高める作用があります。特に朝食時のDITは高いため、朝ごはんを食べないと体温が上がりにくく、基礎代謝やエネルギー消費も下がって脂肪が燃焼しにくい体質になってしまいます。
必要な栄養素が不足する
食事の回数が少ないと栄養素が十分に摂取できず、特に筋肉の材料となるタンパク質が不足しやすくなります。筋肉量の減少は基礎代謝の低下にもつながります。
ダイエット中の朝ごはんの適切なカロリーは?
「日本人の食事摂取基準(2025年版)」では、30~49歳の推定エネルギー必要量は、男性で身体活動レベルが低い人で2,350kcal、普通の人は2,750kcal、高い人は3,150kcalです。女性の場合、低い人は1,750kcal、普通の人は2,050kcal、高い人は2,350kcalとされています。これを3食に分けると1食あたりおよそ580~1,050kcalの計算になりますが、1日のバランスは「朝:昼:夕=3:3:4」に整えるのが理想的と言われています。
そのため、ダイエットを意識するなら朝ごはんの摂取カロリーは500~600kcalを目安にするとよいでしょう。朝ごはんを食べすぎると活動量が少ない人はカロリーを消費しきれずに余分なエネルギーが脂肪になりやすく、反対に少なすぎるとエネルギー不足で疲れやすくなったり、代謝が落ちたりする可能性もあります。朝ごはんを食べすぎた場合は、カロリー摂取量を昼や夜で調整しましょう。
ダイエット中の朝ごはんで摂取したい栄養素と食材

ダイエット中こそ、栄養バランスの整った朝ごはんが求められます。炭水化物やたんぱく質、ビタミン・ミネラル類を組み合わせることで、痩せやすい体づくりにつながります。ここからは、ダイエット中の朝ごはんに摂りたい栄養素と食材を紹介します。
【炭水化物】ごはん・パンなど
炭水化物は脳や体を動かすための大切なエネルギー源です。ただし、GI値の高い白米や食パンばかりでは血糖値が急上昇しやすく、代謝のリズムが乱れやすくなることもあります。ダイエット中は、食物繊維やビタミン・ミネラルを豊富に含む全粒穀物がおすすめです。
たとえば、玄米や雑穀米、もち麦入りごはん、全粒粉パン、ライ麦パン、オートミール、オートミール入りグラノーラなどを取り入れるとよいでしょう。芋類ではさつまいもやジャガイモは食物繊維やでんぷんが多く含まれているため、満腹感が得られて腹持ちもよく、間食を防ぐ効果が期待できます。
【たんぱく質】卵・大豆など
ダイエット中に意識したいのが、筋肉量を減らさずに脂肪を落とすことです。そのために欠かせないのが、筋肉や肌、髪、内臓をつくる材料となるたんぱく質です。過度な制限で不足すると、筋肉量が減って基礎代謝が落ちるだけでなく、肌荒れや髪のツヤ不足につながる可能性があります。
朝ごはんには、卵や納豆、豆腐などの大豆加工品がおすすめです。特に卵や納豆は「ブレインフード」とも呼ばれ、脳の働きをサポートするとされる栄養素を多く含みます。手軽に食べられるサラダチキンやツナ缶、さば缶、鮭も選択肢の1つです。
【ビタミン・ミネラル】野菜・きのこ・海藻
野菜やきのこ、海藻類はビタミンやミネラルを多く含み、体の調子を整える重要な役割を担います。おすすめは、ブロッコリーや人参、トマトといった色の濃い野菜、低カロリーなきのこ類、ミネラル補給に適したわかめやもずくなどの海藻類です。
朝は温野菜にしたり、手軽に調理できる冷凍野菜を活用したりする方法も便利です。1食ごとに両手に乗る程度の野菜を取り入れるようにすると、3食で1日に必要な量のビタミンやミネラルも補給でき、バランスのよい朝ごはんにもつながります。
【食物繊維】フルーツ
フルーツは水溶性食物繊維が豊富で、腸内環境を整えるサポートが期待できる食材です。果物に含まれる果糖は白砂糖に比べてエネルギーへの変換は早いですが、血糖値の上昇が緩やかで、朝の脳に安定したエネルギーを届けることができます。
おすすめは栄養価が高く手軽に食べられるバナナやキウイ、りんごなどです。バナナは腹持ちがよく、キウイはビタミンCが豊富で美容を気にする方に人気です。りんごは皮ごと食べるとさらに食物繊維を摂取できます。朝の一皿に果物を加えることで、食物繊維が糖の吸収を緩やかにして集中力や記憶力を持続させ、昼食の食べすぎ防止にもつながるでしょう。
【カルシウム】乳製品
カルシウムは体内で最も多いミネラルで、その大部分が骨や歯に存在し、残りは筋肉や神経の働きにも関わります。乳製品はカルシウムの供給源として優れており、吸収のよい良質なたんぱく質や代謝を助けるビタミンB群も同時に補給できます。
ダイエット中なら、牛乳より腸に優しいヨーグルトや豆乳がおすすめです。ヨーグルトは牛乳に比べて摂取後の血糖値が上がりにくく満腹感が持続しやすいだけでなく、発酵食品として腸内環境を整えるサポートが期待できます。食べすぎが気になる場合は、低脂肪タイプを選ぶのも一案です。さらに、植物性飲料のアーモンドミルクは低糖質でビタミンEも含まれ、ダイエット中の飲み物として取り入れやすいでしょう。
簡単!ダイエット中におすすめの朝ごはんメニュー

ダイエット中の朝ごはんには冷凍食品やインスタント食品、コンビニ食品などを活用しても問題なく、まず朝食習慣を身に付けることが大切です。ここからは、和食・洋食・時短とシーン別におすすめの朝食メニューを紹介します。
和食の朝ごはんメニュー
和食は低脂肪・高たんぱくで、ダイエット中に理想的な朝ごはんです。手作りは大変そうに見えますが、冷凍ごはんやスーパーのお惣菜を組み合わせれば簡単に準備できます。
<献立>
- 雑穀ごはん
- 鶏むね肉の照り焼き
- ほうれん草のおひたし
- なめこの味噌汁
<献立>
- 玄米ごはん
- 鮭の塩焼き
- ひじきと大豆の煮物
- 豆腐とわかめの味噌汁
洋食の朝ごはんメニュー
洋食派の方は、パンと一緒にタンパク源や野菜サラダをプラスしましょう。卵やサラダチキン、スープを組み合わせて栄養バランスを意識すると無理なく続けられます。
<献立>
- 全粒粉トースト
- サーモンとブロッコリー入りスクランブルエッグ
- キャロットラペ
- ミネストローネスープ
<献立>
- ライ麦パン
- ほうれん草入りオムレツ
- グリーンサラダ(トマト・レタス)
- きのこのコンソメスープ
時短の朝ごはんメニュー
忙しい朝は、電子レンジなどの調理器具を活用し、手間をかけずに栄養を補える工夫を凝らすのがポイントです。時短メニューを常備することで、忙しい日でも朝ごはんの習慣を続けやすくなるでしょう。
<献立>
- フルーツ+オートミール+アーモンドミルク
<献立>
- ヨーグルト+グラノーラ
<献立>
- ツナとブロッコリーのチーズトースト
<献立>
- 納豆ごはん
まとめ
ダイエット中に朝ごはんを抜くのは、過食のリスクや代謝の低下を招き、痩せにくい体質につながりやすいためNGです。朝は、脳や体を動かすエネルギー源を補う重要なタイミングです。炭水化物・たんぱく質・ビタミンやミネラル・食物繊維・カルシウムをバランスよく取り入れることを意識しましょう。
朝ごはんを工夫して食べることで、代謝が上がって健康的に痩せやすい体づくりにつながります。さらに、運動も併せて行えばダイエット効果は高まります。スポーツクラブNASでは多彩なプログラムやサポートを用意し、運動を習慣化しやすい環境を整えています。

監修者情報
市谷 直美スポーツクラブ NAS 株式会社 管理栄養士
大学院で栄養学を専攻し、管理栄養士と調理師の資格を取得。
スポーツクラブ NAS でフロント業務を担当しながら栄養指導や社内情報誌の執筆を行う。現在は保育園児の母として育児に奮闘しながら、幅広い年代のお客様のトレーニングと食事面のサポートに携わっている。
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