ダイエットのチートデイは本当に効く? 正しいやり方と注意点を徹底解説
ダイエット中に、食べ物をたくさん食べられる「チートデイ」。チートデイはダイエットに効果的と聞きますが、たくさん食べても本当にいいのでしょうか。この記事ではチートデイの仕組み、効果とやり方、注意点を解説します。この記事を読めばチートデイのやり方がわかるのでぜひ参考にしてください。
目次
Toggleチートデイの仕組み
最初にチートデイとは何か、どんな仕組みなのかを解説します。
チートデイとは
チートデイ(cheat day)を直訳すると「反則の日」「ズルの日」です。チート(cheat)には「だます」や「あざむく」という意味があります。ダイエット中のチートデイとは、ダイエット中にも関わらず食べ物をたくさん食べる日のことです。ダイエット中の食事はカロリー制限が基本です。にもかかわらず、食べ物をたくさん食べることから「反則の日」「ズルの日」という意味を持つ、チートデイと呼ばれています。
チートデイでは、ダイエット中には我慢していた甘い物をはじめ、食べ物を普段以上にたくさん食べます。なぜダイエット中にも関わらず、食べ物を食べてもいいのでしょうか。それはダイエット中に訪れる「停滞期」を乗り越えるためです。
カロリー制限を続けていると体が慣れて、停滞期が訪れてしまいます。この停滞期を乗り越えるためには、自分の脳をだますことで体をカロリー制限に慣れさせないことが必要です。
ダイエットに訪れる停滞期
ダイエットでは運動で消費カロリーを増やしつつ、食事を制限して摂取カロリーを減らすことが基本です。この方法を行うと最初は順調に体重が落ちていきます。しかし運動もカロリー制限も続けているのに、体重が落ちにくくなってしまう時期が訪れます。これがダイエットの停滞期です。
この停滞期を、乗り越えるために行う方法の1つがチートデイです。では、なぜ停滞期が訪れるのでしょうか。
制限されたカロリーに身体が慣れてしまう
ダイエットのためにカロリー制限を続けていると、身体は少ないカロリーに慣れてしまいます。少ないカロリーでも問題なく生活できるように基礎代謝量を落としてしまうのです。基礎代謝量とは何もしなくても消費するカロリーのこと。基礎代謝量が低下するということは消費カロリーが減ることであり、脂肪が落ちにくくなるということです。
ダイエットにはとてもやっかいな働きですが、これは飢餓の歴史を何度も経験してきた人類が、生き残るために身につけた本能です。食事を安定して摂れなかった時代、摂取カロリーが減っているにも関わらず消費カロリーが多いままでは餓死してしまいます。
摂取カロリーが減ると、基礎代謝量を落として消費カロリーを減らし身体の機能を維持しようとします。この身体の状態を一定に保つのが「ホメオスタシス(生態恒常性機能)」と呼ばれる機能です。ホメオスタシスによって、身体がカロリー制限に慣れてしまいます。いわば身体が「エコモード」に切り替わってしまうのです。
カロリー制限に慣れて基礎代謝量が減った状態では、ダイエットを頑張ってもなかなか体重が減りません。この基礎代謝量の低下を防ぐために行うのがチートデイです。
ではチートデイはどんなメカニズムで、基礎代謝量の低下を防ぐのでしょうか。
チートデイは「脳をだます」行為
チートデイは脳をチートする、つまり脳をだます行為です。身体がカロリー制限に慣れて基礎代謝量を下げる前に、糖質が多く含まれている食べ物をたくさん摂ることで、「糖質は十分にある」と脳をだまします。
カロリー制限によって、身体が基礎代謝量を落とすのは「肝グリコーゲン」が減ることが一因だと考えられています。肝グリコーゲンとは、肝臓に蓄えられている糖質のことです。運動とカロリー制限を行っていると、体内の糖質が消費されて肝グリコーゲンが減っていきます。体内の糖質が減ると、身体は脂質から必要なエネルギーを作らなければならないため脂肪の分解が促進されます。肝グリコーゲンが減ると脳が「身体が飢餓状態にある」と判断して、基礎代謝量を減らしてしまうのです。
チートデイでは、肝グリコーゲンが減って脳が「身体が飢餓状態にある」と判断する前に、糖質と炭水化物をたくさん取って、肝グリコーゲンを補充します。こうすることで、「糖質は十分にある」と脳をだまして、停滞期に入るのを防ぐのです。
チートデイはダイエット中に糖質や炭水化物をたくさん食べられる、しかもダイエット効果が上がるといったメリットがあります。しかし、正しいやり方をしなければ停滞期を防げない上に、カロリーを摂った分、体重が戻ってしまうことになりかねません。
チートデイの効果
続いて、チートデイにはどのような効果があるかについて解説します。
基礎代謝量を維持する効果
チートデイの効果は基礎代謝量の維持です。先ほど解説したメカニズムのとおりカロリー制限ダイエットを行っていると停滞期に入り、基礎代謝量が減ってしまいます。チートデイを行って脳をだますことで、基礎代謝量の低下を防ぐことができます。つまり、順調に体重が落ち続ける状態を作ることができるのです。また仮に停滞期に入ってもチートデイを行うことで、再び基礎代謝量を戻せます。
カーボローディングの効果
ダイエットを続けていくと運動パフォーマンスが低下します。これはカロリー制限によって、体内の糖質を蓄える筋グリコーゲン・肝グリコーゲンが枯渇して、運動に使われるエネルギーが減少するからです。
特に糖質は、数十秒から3分程度の強度が高い無酸素運動のエネルギー源になります。そのためダイエットを続けていると、ウェイトトレーニングのような強度の高い運動のパフォーマンスが低下します。ダイエットのために強度の高い運動を行っていても、筋グリコーゲン・肝グリコーゲンが枯渇したままではパフォーマンスが低下してしまうのです。この状態が続くと、運動量が減って消費カロリーが減ってしまうため、ダイエットにも悪影響です。
チートデイで体内の糖質を補充すれば、強度の高い運動のパフォーマンスを戻すことができます。このように、体内に糖質を補充することを「カーボローディング」と呼びます。運動による消費カロリーが増える上に、筋肉の成長も早まるため、基礎代謝量の向上も見込めるのです。
ストレスを発散する効果
ダイエットのためにカロリー制限を行っていると「食べたいものが食べられない」といったストレスが溜まってきます。チートデイでは甘い物をたくさん食べるため、このストレスを発散する効果があります。
ダイエットは継続が大事なため、ストレスを発散してダイエットのモチベーションを回復させるという意味で、チートデイの最大の効果と言えるかもしれません。ダイエット中に糖質が多く含まれたスイーツや、炭水化物がたくさん含まれたご飯や麺類をたくさん食べられるのはストレス緩和にも役立ちます。
しかし、何でも好きなだけ食べていいわけではないので注意が必要です。
チートデイの正しいやり方
次に、チートデイの正しいやり方を解説します。チートデイの正しいやり方を学んで、チートデイを楽しみつつダイエットを成功させましょう。
チートデイを入れるタイミング
チートデイを入れるタイミングの決め方には、主に2つの方法があります。1つは目安を決めて不定期に行うこと、もう1つは1週間に1日など定期的に行う方法です。目安になるのはダイエットを始めた頃と同様に体重が落ちなくなってきた時と、体温が0.2~0.3度低くなったときの2つです。
これまでのように体重が落ちなくなってきた場合、停滞期に入ったと考えられます。このまま同じダイエットを継続しても、基礎代謝量が低く効率が悪いのでチートデイを入れて基礎代謝量を戻しましょう。
また体温が0.2~0.3度低くなったときも、基礎代謝量が低下したと予想できます。体温は基礎代謝量と関係しており、体温が高いと基礎代謝量が高く、体温が低いと基礎代謝量が低くなると考えられているためです。
体重が落ちなくなってきた時と体温の低下が、同時に起こることも珍しくありません。この2つのどちらか、もしくは両方が起こったときはチートデイを行うタイミングです。
スポーツクラブNASではマンツーマンでの個別指導コースがあります。
チートデイのタイミングを一緒に決めて効率良くダイエットをしませんか?
チートデイの頻度
チートデイを定期的に行う場合は、週1日チートデイを設ける方法がおすすめです。この場合は毎週日曜日など曜日で決めましょう。また、できるだけ休日に設定してください。チートデイでは糖質を大量に摂らなければなりません。休日の方が余裕を持って食事に時間を取れるため、チートデイも上手くいきやすいといえます。
もしくは毎日体重や体温を計測し、停滞期に入るまでの期間を計測してからチートデイを設定する方法もあります。例えば、10日目で停滞期に入るのであれば、10日に一度チートデイを作るようにします。毎日の計測が必要ですが有効な方法です。
食べるものについて
チートデイで食べられる食品は、糖質が豊富な食べ物です。チートデイの目的は肝グリコーゲンを補充して「糖質は十分にある」と脳をだますこと。肝グリコーゲンを補充するためには、糖質や炭水化物をたくさん食べなければなりません。このとき「糖質をいっぱい食べたら太るのでは?」と思う方もいます。糖質をたくさん食べても、体内の糖質が枯渇していればその補充に当てられるため、脂肪にはなりにくいのです。
しかしこのときに脂質も大量に取ってしまうと、同時に脂肪も増えてしまいます。糖質を大量に摂りつつも脂質はほどほどにしなければなりません。おすすめの食品は、糖質が豊富で脂質が少なめの食べ物です。例えば飴やラムネ、はちみつ、和菓子、食パン、ご飯などが挙げられます。
1日に体重×10〜12gを目安に糖質を摂取します。例えば体重が55kgなら、1日に550〜660gの糖質摂取が目安です。飴やラムネは90%以上が糖質なので、目標値を達成しやすい食品と言えます。
一方で食パンやご飯などの炭水化物は、食物繊維が含まれており糖質量は全体の30〜50%程度になるので、かなりの量を食べなければなりません。難しい人は「マルトデキストリン」という糖質のサプリメントを活用すると、目標の糖質量を達成しやすいでしょう。
チートデイを行う際の注意点
最後に、チートデイを行うにあたっての注意点を解説します。チートデイに失敗すると基礎代謝量の低下を防げなかったり、太ってしまったりするリスクがあります。注意点を理解した上で実践してください。
本当に必要かどうか考える
チートデイが有効になるのは、肝グリコーゲンが大きく減少するほどの、ストイックなダイエットをしている人です。もし必要がないのにチートデイを行ってしまうと、脂肪が増えてしまいます。そのため、自分は本当に肝グリコーゲンを減少させるほどのダイエットをしているのか、よく考えてからチートデイを行いましょう。自信がない人は、体重と体温を計測して、停滞期が訪れるかを調べてみてください。停滞期が訪れない場合チートデイは必要ありません。
停滞期がいつ訪れるのかわからない場合は、停滞期が来てからでもチートデイは有効です。自分はチートデイが必要なほどのダイエットをしているのかどうかわからない人は、停滞期が来てからチートデイを行いましょう。
歯止めが効かなくなるような食事はしない
チートデイがきっかけで歯止めが効かなくなり、暴食を続けてダイエットに失敗してしまう事例が多くあります。考えられる原因は主に2つあり、1つはチートデイが甘えになっていること、もう1つはこれまでのカロリー制限が厳しすぎたことです。
チートデイが甘えになっている場合、チートデイを行うことで太ってしまいます。今までダイエットで落としてきた脂肪がすぐに戻ることで、心理学でいう「どうにでもなれ効果」がおこって、暴飲暴食をしてしまうのです。先ほど解説したように、チートデイが本当に必要かどうかを見極めてから行いましょう。
もう1つのカロリー制限が厳しすぎた場合も、歯止めが効かなってしまいがちです。あまりにカロリー制限が厳しいと、その分我慢も大変です。自制心がすり減った状況で渇望していた甘いものを多く食べると、我慢してきた反動で止まらなくなってしまいます。
チートデイは基本的に1日だけ行うものです。数日にわたって行うと、今までの苦労が水の泡になってしまいます。歯止めが聞かなくならないように、本当に必要になってからチートデイを行うことと、過度なカロリー制限はしないように注意してください。
アルコールは控える
アルコールは筋トレ後の筋肥大を抑制したり、脂肪がつきやすくなったりなどの作用があります。そのためダイエット中はできるだけ控えるべきで、チートデイも同様です。チートデイだからといって深酒してしまうと、ダイエットに悪影響をもたらします。また、健康を害してしまっては、ダイエットどころではなくなってしまいます。ダイエット中の飲酒はほどほどにしましょう。
運動は継続する
ダイエットの基本は摂取カロリーを制限し、消費カロリーを大きくすることです。チートデイであっても、運動は継続して取り組むことが必要です。
なおダイエット中の運動は無酸素運動と有酸素運動の組み合わせが有効です。ウェイトトレーニングなどの無酸素運動で、筋肉量を増やして基礎代謝を向上させましょう。基礎代謝が上がった状態で有酸素運動を行えば、脂肪の分解が促進されて、脂肪を減らしやすくなります。
まとめ
ダイエットは運動を行い、カロリー制限もしなければならないためつらいと感じる場面が多くあります。チートデイを停滞期の時に取り入れることで、効率の良いダイエットを進めていきましょう。
ダイエットと合わせて運動習慣を身に着けたい場合はスポーツジムに通うことがおすすめです。スポーツクラブNASはさまざまなトレーニングを行えるため自分にあったダイエットや運動習慣を行えます。
トレーナーに教えてもらったり仲間ができたりすることで、運動は習慣化しやすくなります。ぜひ一度お問い合わせしてみてください。
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