ヨガの効果とは?精神と身体の充足を得る
ヨガというと心身を整えるといったイメージや、身体の柔軟性が必要というイメージを多く持たれます。憧れたり興味を持ったりしている方は多いのですが、「身体が固いから無理」と最初から諦めているパターンもあるようです。この記事ではヨガの効果を高めるためのポイントを解説し、初心者でもできる3つのポーズを紹介します。できそうだなと思ったら、ヨガレッスンを受けてみることもおすすめです。
目次
Toggleもともとのヨガとは
現代のヨガはフィットネス・エクササイズのイメージが強いですが、もともとは古代インド発祥の「座法・呼吸法・観想法」などをまとめた静的なものです。5,000年近い歴史があり、日本には中国を経由して「座禅」として伝わったとされています。宗教的修行法であり、瞑想をメインとしているのは「座禅」と聞くと納得できます。
現代の身体を動かしてポーズをとるヨガは「アーサナ」と呼ばれ、13世紀頃に生まれた動的な「ハタ・ヨガ」をルーツとしたものです。アーサナとは深い瞑想を導き出すための姿勢のことで、元々は心身の緊張を緩めるための座り方という意味しかありませんでした。
このアーサナに呼吸法を加え、体操のような流れる動きを付けたのがアメリカで生まれたパワーヨガです。静的なアーサナに対し、運動量の多いエクササイズ的なものとなり、呼吸と動きによって筋力と柔軟性を高め、身体のゆがみを取れるように考案されました。
現代のヨガにおいてもエクササイズ目的だけでなく、瞑想を取り入れたヨガもあります。身体的に整えるだけでなく、精神面からもアプローチするのがヨガの特徴と言えるでしょう。
ヨガの効果
ヨガの効果とはどのようなものがあるのでしょうか。詳しく解説します。
ダイエット効果
呼吸法とポーズを組み合わせて行うヨガは、全身の筋肉を均等に使いインナーマッスルまで鍛えられます。そのため筋肉量が増え、基礎代謝がアップし痩せやすくなります。筋力がアップすると、ヨガのような静的な動きでも軽い有酸素運動と同程度の脂肪燃焼作用が期待できます。
2013年、アメリカ国立補完統合衛生センター(NCCIH)によると、ヨガをベースとした17のプログラムの調査で、ほとんどが体重を徐々に適度に減少させたとの報告がされています。また2016年には肥満の人を対象とした研究で、ヨガはBMI(身長と体重を元にした体脂肪の指標)の低下と関連があるとしています。
参照元:NCCIH Yoga: What You Need To Know
ストレスの緩和
ストレスにさらされることが避けられない現代社会では、ストレス解消が大きな課題ともなっています。ヨガは瞑想と呼吸法を取り入れることで、精神的な安定や開放感などを得ることができます。深くゆっくりと行う腹式呼吸は、過度の緊張を取り除いて自律神経のバランスを整えてくれる効果も期待できるため、リラックス状態となりストレス解消に繋がります。
ヨガのポーズは運動量もあるので、筋肉を適度に使って緊張させたり緩めたりすることが可能です。ポーズを行いながら意識的に「吸う」「吐く」という呼吸に集中することで、より深いリラックス効果が望めます。
また、ヨガのポーズと呼吸法によってストレスが緩和されることで、暴飲暴食が抑えられるため、ストレスでつい食べ過ぎてしまう方のダイエット効果にも繋がります。
睡眠の質の向上
疲れているはずなのによく眠れない、朝スッキリ起きられないと悩んでいる方は多いでしょう。
自律神経には交感神経と副交感神経があり、夜ぐっすり眠るためには副交感神経が優位に働く必要があります。ところがストレスなどで自律神経のバランスが乱れると、夜になっても交感神経が優位となり、心身が興奮していてよく眠れないということが起こります。
ヨガは深い呼吸をしながら筋肉を刺激するため、副交感神経の働きを高めてくれます。特に就寝前のヨガは入眠しやすくなり、睡眠の質も向上することが期待できます。睡眠の質が上がれば、成長ホルモンの分泌も促されるため、よりダイエット効果も高くなります。寝る前5分のヨガを行うといったことを毎日の習慣にしてみましょう。
身体のゆがみの矯正・柔軟性の向上
ヨガのポーズは身体が柔らかいイメージがあるように、普段あまり使っていない全身の筋肉までしっかり使い、伸縮させて柔軟性を高めます。全身が柔軟になると、凝り固まった肩や腰などの不調が緩和され、体調が良いと感じることが増えるでしょう。
また、ヨガでは筋肉や腱、骨を伸ばして正しいバランス・重心を意識してポーズをとることが必要です。そのため身体の歪んだ部分に作用して、正しい位置に戻してくれる効果が期待できます。身体の歪みが取れれば、筋肉が本来の位置に本来の形できちんと付くため、無駄な脂肪も付きにくくなります。さらには圧迫されていた内臓も正しい位置に戻り、血流もよくなっていきます。
ヨガの効果を高めるためのポイント
ヨガにはさまざまな効果が期待できますが、さらに効果を高めるためのポイントを紹介します。
呼吸法
ヨガでは必ず深い呼吸を意識して行います。基本は腹式呼吸で、鼻からお腹を膨らませて吸い、口から細く長く吐ききります。普段の呼吸とは異なるので、最初は難しいと感じるかもしれませんがこの呼吸をすることが重要です。
ポイントは、肺の下にある横隔膜を上下させることを意識すること。そして体内の空気をすべて吐ききることに集中してみましょう。腹式呼吸は、大量の酸素を体内に取り込み、血流やリンパの流れを促してくれるので、代謝アップやリラックスなどの効果がより高まります。
【腹式呼吸の方法】
1.背筋を伸ばして胸を開くことを意識します。お腹に手を当て、口から細く長く息を吐きます。口は「う」と発音するときの形にして、お腹の中心から空気を押し出す感じを意識しましょう。
2.お腹が完全にへこんで、これ以上吐けないというところまで息を吐ききります。吐ききるのに7秒ほどかけます。
3.鼻からゆっくり空気を吸い込みます。お腹を膨らませることを意識しながら、腹八分目程度まで吸いましょう。3秒吸ったら3秒息を止めます。
4.1〜3を繰り返します。
瞑想
瞑想とは心を静めて無心になり、何も考えずにリラックスすることです。ヨガの瞑想というと、座禅を組んで動かず瞑想しているシーンが思い浮かびますが、呼吸法を用いながら全身を動かしてポーズをとっているときも、瞑想状態であることが理想とされています。
ただし初心者がポーズをとりながら瞑想状態になるのは難しいので、ポーズの後に動きを止めて呼吸に集中する「瞑想の時間」を設ける場合もあります。慣れてくると、ポーズをしながらでも瞑想状態に入ることができ、マインドフルネスに近づけます。
【瞑想の方法】
1.姿勢を正して静かに座り、背筋を伸ばします。姿勢は安楽座(スカーサナ)というヨガポーズですが、胡座(あぐら)でもかまいません。
2.手のポーズはムドラといって数種類ありますが、手のひらを上に向けるボーズをします。
3.目線はまっすぐ正面に置きます。軽く目を閉じてもかまいません。肩の力を抜き、全身脱力を意識します。
4.前項で紹介した腹式呼吸を行います。
5.呼吸に意識を集中するようにして、頭の中から雑念を追い払います。意識がそれてもそれを否定せずに、受け流すように意識を呼吸に戻します。
時間帯
ヨガを行うのに最も適していると言われる時間帯は、朝の起床後と、就寝2時間前です。ヨガは空腹状態で行うのが推奨されており、どちらのタイミングも空腹であるのが理由の一つです。朝と夜では、ヨガで得られる効果も違うため、まずは自分に合っていると思う方から取り入れてみましょう。
朝はトイレに行き、朝食の前に行うのがおすすめです。朝ヨガは神経に刺激を与えることで、副交感神経から交感神経への切り替えができ目覚めをよくしてくれます。カーテンを開けて太陽の光を浴びながら行うとさらに効果的でしょう。また、起きてすぐのヨガで脂肪燃焼も促されるので、ダイエット中の方にもおすすめです。
夜のヨガは疲れやストレスを解消することや、筋肉や関節をほぐして血流をよくすることが目的です。緩やかな動きによって身体も精神もリラックスし、自律神経を整えてくれます。質のよい睡眠が期待でき、朝の目覚めもよくなるでしょう。
おすすめのポーズ3選
難しいイメージのあるヨガのポーズですが、初心者でもできる簡単なおすすめポーズを3つ紹介します。
猫のポーズ(キャットアンドカウ)
猫のポーズは、猫の背伸びのようなヨガポーズです。さまざまなポーズのウォーミングアップや、ポーズ後に身体を整える目的でも用いられ、肩こり解消にも効果があります。デスクワークの合間にストレッチとして行うのもおすすめです。
【猫のポーズのやり方】
1.両手を肩の真下に下ろして床につき、両膝は足の付け根の真下にくるようにして四つん這いの姿勢をとります。
2.肘が外側を向くようにし、両手と両膝は肩幅くらいに開きます。
3.鼻から大きく息を吸い、口から吐きながら背中を丸めます。両手と両膝の位置は動かさず、おへそを見るようにします。
4.息をゆっくり吸いながら背中を反らせます。
5.3~4の流れをワンセットとして、呼吸を意識しながら5~8回繰り返しましょう。
戦士のポーズ2(ヴィーラバッドラーサナ2)
戦士のポーズ2は、全身の筋肉や体幹の強化、二の腕の引き締め、股関節の柔軟性を高めるのに効果的なポーズです。集中力をアップしたいときにも効果を発揮してくれます。
【戦士のポーズ2のやり方】
1.両足を揃えてまっすぐに立ちます(タダーサナのポーズ)。鼻から息を吸いながら、右足を大きく前に一歩出します。
2.左足のつま先を90度外側に向け、骨盤と胸を真横に向けます。
3.口から細く息を吐きながら、右膝を90度まで曲げます。かかとの上に膝がくるようにし、太ももと床が平行になるようにします。
4.両手は肩の高さで横に開いて、視線は右手の指先へ向けます。恥骨と尾骨を身体の中心に引き入れるようにイメージして、体幹をまっすぐにキープします。
三角のポーズ(ウッティタトリコナーサナ)
三角のポーズは、特に下半身の強化や腸の活性化の効果が期待できます。ウエストシェイプしたい方や、便秘で悩んでいる方にもおすすめです。
【三角のポーズのやり方】
1.両足は肩幅2つ分くらいに開き、右足を一歩踏み出します。右足の先は右へ、左足の先は正面に向けます。視線は右を向けたまま、両手を肩の高さまで上げTの字を作ります。
2.鼻から息を吸いながら、股関節から上体を前足へスライドさせます。両手は伸ばしたままにします。
3.息を口から吐きながら、上体を右側に倒します。右手は右足の甲へ、左手は天井の方へ伸ばします。このとき、胴体と骨盤は足の上で一直線になるようにキープします。目線は天井へ向けます。
4.反対側も同様に行います。
まとめ
ヨガはフィットネス・エクササイズという意味合いだけでなく、精神と身体の統一を目指しています。深い呼吸法により精神的な充足感が得られるので、ストレスを解消して睡眠の質が向上するなど、運動以外で得られるものも大きいです。毎日繰り返し行い、習慣にすることでQOL(生活の質)の向上を実感できるでしょう。
スポーツクラブNASでは、ヨガのレッスンも行っているので、もっとヨガのことを知りたい方は各店舗まで気軽に問い合わせてください。
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