二の腕痩せに効果的な方法とは? 代表的なエクササイズを紹介 おすすめエクササイズ3選を解説
二の腕のたるみを気にする人は多いです。ダイエットやトレーニングをがんばっても、二の腕痩せの効果をなかなか実感できない人も多いかもしれません。それは、二の腕は身体のほかの部位に比べて筋肉が少なく、比較的代謝が悪いためです。脂肪がつきやすいうえ、痩せにくい部位の一つなのです。ここでは、二の腕がたるんでしまう原因を解説し、効果的な二の腕痩せのエクササイズを紹介します。
目次
Toggle「二の腕」ってどこの部位?
効率よく二の腕痩せを実感するために、まずは二の腕の部位や構造を見てみましょう。
上腕とも呼ばれる二の腕は、肩から肘までの部位のこと。医学用語では「上膊(じょうはく)」といいます。
二の腕を構成する筋肉には、前側にあり肘を曲げる働きをする上腕二頭筋(じょうわんにとうきん)と、後ろ側にあり肘を伸ばす作用の上腕三頭筋(じょうわんさんとうきん)があり、互いに相反する動きをする拮抗筋です。
また上腕二頭筋の下には上腕筋があり、こちらも肘の屈曲に作用する筋肉です。さらに、肩甲骨前側にある烏口突起(うこうとっき)から上腕部中部には、「烏口腕筋(うこうわんきん)」があり、二の腕を内側へ回したり、曲げたりする作用があります。
二の腕がたるんで見える原因
「たるんで見える」「太く見える」と気にして、二の腕痩せをする人は多いでしょう。では、なぜ二の腕がたるんでしまうのでしょうか。
原因は皮下脂肪
二の腕のたるみの原因は、まず皮下脂肪が挙げられます。皮下脂肪とは、皮膚の下にある皮下組織につく脂肪のことで、比較的、表面に近い部分に蓄積します。外部の刺激から身を守るクッションの役割があるほか、熱を伝えにくいため寒さから身を守る働きがあります。このように皮下脂肪は身体を維持するための大切な組織なのです。
とはいえ皮下脂肪が過剰に蓄積されると、丸みを帯びたシルエットを形成します。また、やわらかいため重力に引っ張られてたるみを生じさせるでしょう。
目立ちやすい二の腕の脂肪
半袖やノースリーブから伸びる腕をふると、皮下脂肪がついた二の腕が揺れることで、脂肪がついていることが一目瞭然です。通称「振袖肉」といい、春や夏になると、脂肪がついてたるんで見える二の腕を気にする人が増加します。
特に、女性は男性よりも二の腕に限らず身体に皮下脂肪が蓄積されやすい傾向があります。これは女性ホルモンのエストロゲンが、皮下脂肪を蓄積する作用があるためです。その一方で、エストロゲンは皮下脂肪が過剰につかないよう、抑制する働きもします。
一方、男性は女性に比べて皮下脂肪よりも内臓脂肪がつきやすい傾向があります。また筋肉を作るのに必要な男性ホルモン(テストステロン)が多く分泌されるため、女性に比べると筋肉がつきやすいといえます。二の腕の皮下脂肪に悩み、二の腕痩せを意識する人は少ないかもしれません。
セルライトが形成されることも
セルライトとは、皮下脂肪組織に脂肪や水分、老廃物などがコラーゲン組織と結合し、固まってしまったものです。二の腕だけでなくお尻や太ももなどにも形成され、たるんで見える原因にもなります。セルライトは、筋肉量が減るなどして代謝の低下によって血行やリンパの流れが悪くなることで、体内の余分な水分や老廃物が排出されず作られます。また皮下脂肪が増えるとリンパの流れを妨げ、セルライトができやすくなります。
セルライトはたるみが目立つだけでなく、進行すると皮膚表面がボコボコとした状態になり見た目もよくありません。進行が進むと押しただけで痛みが生じ、少しの刺激で内出血してしまうこともあります。
運動習慣がなく筋肉量が少ない人や、生活習慣の乱れやストレスを抱えている人は、血行不良や代謝低下の可能性があるためセルライトが蓄積しやすいかもしれません。
二の腕痩せのためにはどうすればいい?
ここからは効率よく二の腕痩せを実現するために、知っておきたいポイントを紹介します。
原則として「部分痩せ」はできない
「バストの脂肪は残し、二の腕の脂肪だけを落とす」といった「部分痩せ」を望む人は多いでしょう。しかし「脂肪溶解注射」や「脂肪吸引」などの美容整形アプローチを除いて、部分痩せは原則できません。
まず筋トレなどの無酸素運動では脂肪は燃焼されません。筋肉を動かすためにはATP(デノシン3リン酸)が必要ですが、無酸素運動でATPを再合成するときにはクレアチンリン酸系、解糖系と呼ばれるエネルギー補充を行います。脂肪をエネルギーとしないため、体脂肪が減少しないのです。
マラソンなどの有酸素運動は脂肪をエネルギーとして使用するため、脂肪量を減らせる効果は見込めますが、やはり部分痩せはできません。有酸素運動を続けると、アドレナリンが分泌され、脂肪を分解するリパーゼが活性化します。アドレナリンは血管を通じて全身に送られるため、部分的にではなく身体全体の脂肪が減少するためです。
基本は全身トレーニングと食事の見直し
食事制限で摂取カロリーを控え、運動で消費カロリーを増やす基本的なダイエットによって、二の腕痩せは可能です。脂肪を燃焼させるには、ウォーキングやジョギング、水泳などの有酸素運動が効果的です。
また特定の部位の筋肉を鍛えることは可能なので、二の腕の筋トレも行うのがおすすめです。筋トレで二の腕の筋肉を増やせば、引き締まった見た目になるでしょう。
食事に関しては摂取カロリーを抑えるだけでなく、筋肉の元となるタンパク質を多く含む肉や魚、豆類を取りましょう。二の腕の老廃物を排出するのに有効なビタミンやミネラルが豊富な海藻類やナッツ類、脂肪燃焼効果が期待できるカプサイシンを含む唐辛子などを摂取すると効果的です。これらの栄養素を取れるよう、日々の食事を見直すと良いでしょう。
二の腕のトレーニングで血液・リンパの流れを良くする
二の腕のむくみやセルライト対策にも筋トレは効果が見込めます。二の腕の筋トレを行うことで、血液やリンパの流れを促進し老廃物を排出しやすくなるためです。
筋トレをして継続的に筋肉を動かすと、筋肉内にある毛細血管が刺激され発達し、血流が良くなります。血流は全身に酸素や栄養素を運ぶだけでなく、老廃物や二酸化炭素などを腎臓・肝臓などの処理器官に運んでくれるため、血流を促進することで老廃物を排出できるようになるのです。
また体内の余分な水分や老廃物を回収するリンパは、筋肉を動かすことによって流れているといわれています。リンパを滞りなく流すためにも、筋トレを行うことは大切です。
二の腕に効果的なトレーニング
二の腕の筋肉、特に上腕二頭筋と上腕三頭筋にアプローチして、二の腕痩せを実感できるトレーニングを3つ紹介します。
キックバック(トライセプスキックバック)
最初に紹介するのは、上腕三頭筋(トライセプス)を重点的に鍛えるエクササイズです。上腕三頭筋を中心とした動作のため特定の筋肉を鍛える効果が見込めます。
ダンベルを用いて行いますが、ダンベルがない場合はペットボトルに水を入れたもので代用可能です。直立姿勢や前かがみ、膝立ちなどの姿勢で行えますが、ここでは前かがみの姿勢で行うキックバックのやり方を紹介します。
1.足は腰幅に開き、膝を軽く曲げて、前かがみの姿勢をとる。片手をウエイトベンチや安定した椅子につき、もう片手でダンベルなどの重りを持ち、肘を曲げた位置で構えます。
2.1の姿勢を保ったまま、息を吐きながら重りを持ったほうの肘を伸ばします。
3.しっかりと肘を伸ばして上腕三頭筋の収縮を意識します。
4.1のフォームに戻します。
ポイントは肘を固定して動かさないことと、動かす方の腕が身体から離れないこと。これらの動きを10回を1セットとして、左右交互に3セット行います。
アームカール
次に上腕二頭筋が鍛えられ、大きな力こぶを作るエクササイズを紹介します。男性らしい二の腕を作るのにも効果的です。
このトレーニングでもダンベルを使用しますが、キックバック同様に水を入れたペットボトルでも代用可能です。
1.両手でダンベルなどの重りを握り、脚幅を腰幅ほどに開いてまっすぐ立つ。両手は手のひらを正面に向けます。
2.軽く顎を引き、両手の肘を曲げて重りを持ち挙げ、脇を締めてスタートポジションを決めます。
3.肘が後方に動かないように固定し、一気に手をおろさないよう、ゆっくり下ろします。
4.スタートポジションに戻します。
このエクササイズは肘を動かさないことのほかに、腰や背中をそらすなどして反動をつけないこともポイントです。反動をつけて動かすと、上腕二頭筋への負荷が減るため効果が半減してしまいます。
15回を1セットとして、3セット行いましょう。
リバースプッシュアップ
最後に、上腕三頭筋を鍛える自重エクササイズを紹介します。自重エクササイズとは、自分の体重を負荷にして行うトレーニングのこと。先に紹介した2つのエクササイズで用いた重りを使いません。
1.お尻を床について座ったときに肘と同じくらいの高さに座位がある、安定した椅子や台を用意します。
2.肘から手首までの前腕が座面に対して垂直になるよう、椅子の座面に両手をつく。膝を軽く曲げて、かかとを床につけます。
3.ゆっくりと肘を曲げ、真下に体をおろします。
4.肘が90度になるまで曲げたら、肘を伸ばしすばやく元の状態に戻す。肘を伸ばし切って上腕三頭筋の収縮を意識することがポイントです。
負荷が軽いと感じたら、足を前方に移動し膝をまっすぐ伸ばしましょう。10回を1セットとし、3セット行ってください。
二の腕エクササイズで注意すべきこと
効率よく二の腕痩せのエクササイズを行うために、気を付けたいポイントが3つあります。それぞれのポイントを見てみましょう。
「筋肉で二の腕が太くなる」は間違い
女性のなかには筋トレを行うことで二の腕が太くなったり、筋肉が付きすぎてゴツゴツした印象の二の腕になったりするのではないかと不安になり、筋トレを避ける人もいるかもしれません。
それは間違った認識で、女性の場合は相当ハードな筋トレに加え、徹底した食事管理やプロテイン摂取などをしない限り、筋肉で二の腕が太くなることはありません。なぜなら、女性は、筋肉を発達させたり、体脂肪を減少させたりする働きをするテストステロンという男性ホルモンが少ないためです。
筋トレを行うと、二の腕が太くなるのではなく、腕の付け根にある三角筋と上腕二頭筋、上腕三頭筋がきれいに別れた「セパレーション」の状態になります。シャープなアウトラインを生み出し、スッキリとした印象の二の腕が手に入るでしょう。積極的に二の腕の筋トレを行うべきといえます。
ターゲットの筋肉を意識する
トレーニングを行うときには、鍛えたい筋肉を意識することが大切です。例えば、この記事で紹介したキックバックを行うときには上腕三頭筋を、アームカールなら上腕二頭筋を意識して行います。
鍛えたい筋肉を意識して筋トレを行うことを「マインドマッスルコネクション」といい、ターゲットとなる筋肉を意識しないで鍛えるよりも、意識して筋トレを実施したほうが、筋肉をより活性化する可能性があることが研究で判明しています。
例えば、世界的に有名なフィットネス研究者のニューヨーク州立大のブラッド・シェーンフェルド氏は2018年に、被験者30人に上腕二頭筋を鍛えるアームカールを行うときに、上腕二頭筋を意識するグループと意識しないグループに分けて比較する研究を行いました。すると、上腕二頭筋を意識してアームカールを行ったグループは、意識しなかったグループを比べると、肥大した上腕二頭筋のサイズは2倍という結果になったのです。
効果は少しずつ現れる
トレーニングの効果を今すぐにでも実感したいと思うかもしれません。しかし、1回のトレーニングで筋肉を鍛えられる量や有酸素運動で燃焼できる脂肪は、限られています。そのためトレーニングの効果を実感できるようになるまで、時間がかかるでしょう。
行うトレーニングの回数や内容によりますが、2~3カ月ほど筋トレを継続して、ようやく筋肉がついたと実感できます。また、他人が見ても筋肉がついたとわかるほど見た目が変化するには、6カ月程度必要です。
一方、有酸素運動による脂肪燃焼効果は筋トレよりも若干ですが早く実感でき、1~3カ月続けると痩せたと感じられるでしょう。
さまざまな広告では「たった1週間で見違える!」といったキャッチフレーズを掲げている商品も見かけますが、トレーニングの効果を感じられるようになるには時間を要します。正しい方法でトレーニングを続ければ、確実に効果は得られますので、諦めずに継続して行いましょう。
まとめ
この記事で紹介したポイントを念頭に入れてトレーニングを行えば、二の腕痩せの効果は必ず現れます。しかし、二の腕痩せの効果を実感するには時間を要します。途中でトレーニングをやめてしまう人もいるかもしれません。
モチベーションを維持しトレーニングを継続するためにも、スポーツジムへ通ってみてはいかでしょうか。ジム通いは「なりたい自分」に近づくための第1歩となるでしょう。
スポーツクラブNASのトレーニングジムは、基本的なフリーウェイトから新しいマシンまで豊富なラインナップが魅力です。自分の目的に沿ったトレーニングメニューを組むことができるでしょう。また、フリーウェイト・マシンとともに充実しているのがカーディオマシン。有酸素運動を心ゆくまで行い、たっぷりと汗をかくことができます。
ご関心のある方は、ぜひ近くの スポーツクラブNAS各店舗 までお問い合わせください。
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